4- 3、米軍資料に観る日本軍手榴弾 『ハンドブックオンジャパニーズミリタリーフォーセズ』より

1、ブービートラップ(仕掛け罠)に使う手榴弾
米軍は仕掛け手榴弾を恐れた。ドイツ軍ほどではないが、日本軍にも「ブービートラップ」があるから要注意と。だが、日本の曳火信管手榴弾はどう考えても、仕掛け罠には不向きである。自動的に真っすぐに落として着火させるということが出来にくい。この仕掛け罠の図でも九一式手榴弾を使っているが、その理由はブースター部分が吊るために便利だからだ。ブースターの付いてない九七式ならどうすると言う点が曖昧だ。何本も引っ張り糸があり、落ちて着火しても4-5秒(九一式なら7-8秒)も爆発まで掛る。こんな罠はあり得ない。

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九七式でなく九一式なのが?
2、九一式手榴弾のブースター
この図ほど詳細に内部の仕組みを描いたものは日本の資料では見受けられない。

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3、謎の「二三式」手榴弾
実物は観たことがない。この写真も何かの資料のコピーだ。


中国大陸工廠製か?
九九式を開発、製造する前の九九Bと説明してあるが、九九式とは似ても似つかない。ブービートラップに仕掛けられていたと言う記述がある。
推定するに中国の工廠で作らせた手榴弾を南方に移動する部隊が装備していたのではないか?二三式の中華年号は1934年である。
雑な造りであるが、キャップが付いているので防水性には良かっただろう。
4、柄付き焼夷手榴弾
これも日本ではなじみのない日本の手榴弾である。

 

5、青酸ガス破壊式手榴弾
ガラスの丸瓶に青酸が入っている。単に瓶が壊れて空気に触れると青酸ガスが
発生し、車両やトーチカの内部の敵を倒す。このような化学兵器だったが、戦場でガラス瓶を扱う難しさからあまり使用されなかったのではないか。瓶をそのまま持ち歩くだけでなく缶にパッキングを入れて一個ずつ取り出す方式。

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陶器製手榴弾のソフトボール型はガラス材料の不足、ガラスより安全性が瀧などの理由から、これを造ろうとしたのではないか?
(この項以上)