5-1、信管機構
1、3つの機能
八九式50mm擲弾筒に使用するに以下の3つの機能があった。
① 真ん中に雷管がある。米国で実験した際には12番弾の雷管を使用し、発射薬は黒色火薬を入れた。
撃発、発射薬で飛ばす。発射薬部分の周りは銅製の環で、これが撃発で膨らみライフルに噛んで、砲弾に回転を与えた。発射薬部分は小さく、ねじ切りで入れてあり、
真ん中に雷管がある。米国で実験した際には12番弾の雷管を使用し、発射薬は黒色火薬を入れた。
② 砲弾の鉄質を変えることで普通弾と徹甲弾にした。黄色の帯が砲弾の真ん中に描いてあるのが普通弾だ。頭の部分が赤く塗ってあるのは起動するという意味だ。
徹甲弾の帯は白だ。
③ 信管は衝撃信管である。砲弾が飛んでいき、目標に命中する衝撃で、雷管、起爆薬、そして炸薬が爆発して、その衝撃、砲弾の破片でダメージを与える。
衝撃信管はしばしば柔らかい地面では爆発しなかった。想定によっては九十式曳火手榴弾(ヒューズを使う)にした。
信管の仕組みは簡単である。
頭は釦、これにコイルバネを巻いた撃針が接続し、その先が雷管を撃ち、雷管は起爆薬の筒を爆発させる。無可動にしてある砲弾は、内部の炸薬とともに起爆薬も取り除いてある。
また発射筒の雷管、発射薬も取り除いてあるので、空になっている。
コイルばねはある程度の強さで撃針を張ってないと、発射のGに負けることがある。強くするには長いもしくは太いバネにしなければならいが、この砲弾は細いバネを2重にして使用してあった。
(この項以上)